よく見つけたね。イラスト担当のマミが書いた小説はいかがかな?
 * 殺人元帥 *

 こいつは、一体何なんだ。私の何だと言うのか。憎い。とても許せない相手だ。
 そう思いながら、私は、もう一人の私を縛り上げて、跨っていた。

「くッ…… 憎い……!」

「ぐおおッ!!」

 剣を“私”の腹に突き刺した。苦しそうに声を上げる。咳き込む。そして、ゼエゼエと荒い呼吸をして、涙を流した。

「憎い。許さない……!」

「あぐううッ!! んあ゛あ゛! がはッ!!」

 何度も私は剣を突き刺した。こんな姿になってしまった私。間違いだらけの私。神を見失ってしまった、残酷な。
 もう一度言うが、とても許せない相手だ。憎い。

「……お許しを。あなたを許すことができないことに」

「ぐおおおッ…… く、うッ、うう、セイバー。」
「好きなだけ私を傷めつけなさい…… そして……貴方に神のご加護が…… !! ぐはあッ!!」

「……キャスター殿、もう一度」

「私は許します。すべてを受け入れます。貴方のつらい思いをこの躯で受け止めましょう」

 ズタズタになった、憎き相手は、微笑んだ。そして、魔術で自分を縛っていた道具を全て破壊した。
 そして…… 両手で私の頬を優しくなでた。

「……! くッ」

「手当は要りませんよ。自分でやります。貴方が私のことを憎んでいても…… 私は貴方を嫌いになりませんから」

「は、ははッ…… なかなか艶のあるいい声を上げていましたな……」

「そうでしょう? 私、そういう悲鳴が好きですから……」

 私が私である為には、堕ちてしまった私のことも、知らなければならないようだ。
 次は、愛してやれるだろうか……

 * おわり *
  
まさかのSっ気たっぷりな剣ジルくんでした!
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